いつも投稿をご覧頂きありがとうございます。

さて、今回も皆さんお使いのパソコンの、大事な大事な「データ」のお話です。
バックアップを取る重要性について先日投稿しましたが、その続編だと思って読んで頂ければと思います。
(小難しい話はナナメ読みでOKです。データ保管に不安を感じてる方は個別にお問い合わせ下さい)

で、いきなり記事タイトルに答えが書いてあるんですが、どんなメディア(HDDやSSDから、昔懐かしのフロッピーディスクまで)でも、ほとんど全ての記録メディアは実は「消耗品」なんです、というお話です。

  1. HDD

    HDDは、アルミorガラスorセラミック製など(いずれも非磁性)に「磁性体」が塗られた「プラッタ」と呼ばれる円盤に、磁気でデータを記録しています。データの読み書きはこのプラッタをモーターで回転させて、「ヘッド」と呼ばれる電磁石の部品が該当部分を通過しながら行います。
    回転物なので、長期間使用していると摩耗その他の理由で軸受けの抵抗により回転が不安定になったりして、いずれ壊れます。
  2. SSD/USBメモリ/SDカード 等のフラッシュメモリ製品

    SSDもUSBメモリもSDカードも、「不揮発性」です。「不揮発性」とは、電力を与え続けなくてもデータを保持できることを指します。(なので、PCのメインメモリのように電源が入っていないとデータを保持できないメモリを「揮発性メモリ」と呼んで区別します)
    電力を与えなくてもデータを保持できるということは、データを書き換えにくいことと同義で、ゆえに「データの書き換え可能回数」と「書き換え速度」に影響が出ます。
    例えば、WesternDigital製の容量1TBのSSDに「WDS100T1B0E」という型番の製品がありますが、この製品の公表されている書き換え寿命は「600TBW」です。(TBW= Total Byte Written)
    データの書き込み(あるいは書き換え)総量が600TB(テラバイト)まで、ということです。
    総量600TB分のデータの書き込みあるいは書き換えをしたらその時点で絶対壊れる、というわけでもないですが(当然誤差等はある)、永久的に使えるものでもなく使えば使うほど確実に「消耗」しているものです。

  3. ブルーレイ/DVD/CD-ROMなどの光学ディスク

    「長期保存」を謳ったアーカイブ用のメディアであれば、(保管状況さえ気を付ければ)当初のユーザーが存命中はまぁ問題なく保存が可能な製品もありますが、保管状況(温度・光(主に紫外線)・湿度 等の影響)によってはわりと早く劣化します。また書き換え可能なディスクはそもそもの書き換え可能回数に制約があります。(SSDとは比較にできないくらい短寿命)

クラウドを使わずに確実にデータを守る方法

RAID、という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
細かい技術的な話は割愛しますが(問い合わせあればお教えします)、「複数のHDD(やSSD)にデータを記録し、どれかが壊れてもデータが失われない仕組み」です。
一番わかりやすい単純な仕組みが「RAID 1(ミラーリング)」と呼ばれるもので、2つのディスクに同一データを記録し、一方が破損してももう一方のデータが残る仕組みです。
仮に一定期間内におけるディスク単体の故障率を3%としたときに、2台同時に故障する確率は3%の3%、つまり0.09%になるので、単体のディスクに記録するよりもデータ消失リスクが下がります。
他にも「RAID 6(ブロブロック単位・複数パリティ分散記録)」というものもあり、4台(以上)のドライブでRAID6を構成すると、2台同時に故障(あるいは1台が故障したあと、交換作業中にもう1台が続けて壊れるなど)しても、データが失われない仕組みもあります。(3台同時故障(単体故障確率を3%とした場合の確率は0.0027%)には対応できない)
RAIDを採用したNAS(Network Attached Storage)を利用すると、ディスク単体の故障時にデータが失われないばかりか、そのまま利用し続けながら故障したドライブだけをホットスワップ・装置を停止させないまま交換作業ができたりします。

何がいいたいかと言うと、ディスク単体は「消耗品」と捉え、「壊れる前提」で使えばいいのです。