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さて本日は、昨日投稿した「データストレージの廃棄方法」の続編として、HDDの分解手順をご紹介したいと思います。
- まだ使用する予定のHDDは絶対に分解してはいけません。
- 一度開封してしまうと、微細なホコリ等が入り込んで故障の原因になります。
→HDDの製造現場・修理現場では必ずクリーンルームで作業をしています。 - 分解せずとも、シール類を剥がしただけで保証の対象外です。
- 内部にはかなり強力な磁石があったり、金属のバリで怪我をする可能性もありますので軍手等でいいので手を保護しましょう。
今回の分解対象
今回分解するのは、Seagate製の1TB 3.5インチHDD、ST31000524ASです。
どのメーカー、どの品番でも分解手順に大差はないですが、ビスの数や位置はそれぞれ異なりますので、実際に作業する際にはよく観察して行ってください。
用意する道具
- T8、T6のトルクス ドライバー※
- マイナスドライバー
メーカーや型番によって必要なドライバーのサイズや形状が異なる場合がありますが、→のような精密ドライバーセットがあればまず大抵は対応できるかと思います。
外から見えるネジを全て外す
まずは画像赤丸の7か所、T8のトルクスで止まっていますので、これを全部外します。
シールの下にも計3個、同じくT8のトルクスネジが隠れていましたのでこれも外します。
ビスが全て外れたら、マイナスドライバーで軽く抉ると中身が御開帳です。
上手く開かない場合は外し忘れのビスが必ずあるのでよく探しましょう。
内部にもビスが何本もあるので、全部外していくと、それぞれパーツが取り外しできます。
ちなみに基盤側の取り外しはT6でした。
特にコネクタ等が繋がっているわけでもなく、基盤とHDD内部との接点は基盤を固定する圧力だけで接する構造のようです。
このへんは機種によって異なると思います。
ちなみに、基盤不良(中のディスクは無事)の場合、同一品番のHDDの基盤を移植することでデータを救出したりします。
外した基盤の下に怪しげなシルバーのシール。
(内部を密封するために貼られています。それだけホコリを気にするという事です)
T8のビスが一か所隠れていました。
(他のシールは内側から止めてあるビス用の穴)
データ記録がされているプラッタ(金属質に見える円盤)を取り出すためには、読み取りヘッドを取り除く必要があります。
ここどうやって外すのかな?と観察してみると、T8が2本隠れているのを発見。
こんなのどうやって外すんだろう?と思いますが実は・・・
超強力な磁石で引き寄せ合ってるだけなので、梃子の原理で持ち上げてあげれば上半分が外れます。
こうして、データが記録されている「プラッタ」を摘出することができました。
このHDDの場合は2枚でしたが、1枚だけのものもあればもっと沢山入っているHDDもあります。
このへんはモデルによって違いますね。
もうこんな時間(現在21時)なのでやりませんが、最後はこのプラッタを、
- 叩き割る
- 表面をヤスリで削り取る
などすれば、データ盗難の心配はなくなります。
思う存分破壊したあとは、破片を全部中に押し込んだ状態で分解とは逆の手順で蓋をして、不燃ごみに出せばOKです。
(お住いの自治体の処分方法に従って下さい)
ご依頼も受け付けます
自分でやるのはちょっと・・・という方は、ご依頼頂ければ作業致します。
オンサイト作業(工具持参で訪問します)で承りますので、お気軽にご相談下さい。