いつも投稿をご覧頂きありがとうございます。
本当はこんなことやってるヒマないんだけどな・・・と思いつつ、LinkedIn上で「半年後に150%の価格で買い戻す特約付きの未公開株」なんていう香ばしいメッセージが来てしまったので、本日のブログネタとします。
←が送られてきたメッセージとそのやり取りになります。
「詐欺罪(有罪確定)」ではないため(推定無罪の原則云々)、一応個人名・会社名及びそれらが類推できるものは一応マスクさせて頂いてます。
(個人的にはこれは詐欺確定だと思ってますけど)
(メッセージ内リンク先のプレスリリースも含めて)要点をまとめると・・・
- スマホ用のUSB-C接続のサブモニター(キーボード付き)の新商品を
- メッセージを送ってきた人物の会社が大株主になっている別の会社(A)が発売する
- 大手キャリアやシステム会社と組んでいて、大学病院等で数万台単位で売れる!
- なので、今日たまたま不作為につながり申請をした、面識のない人物である私に、そのA社の株を売る。
- 売買条件として「半年後に150%での買戻し特約」を付ける。
ということのようです。
なんともまぁ、労せずして半年後に金が1.5倍に増える、めっちゃおいしい案件でした。
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なわけねーだろ。っていう話です。
最初のメッセージを斜め読みした瞬間から詐欺を確信しましたが、せっかくネタになりそうなのですっとぼけて返信してしまいました(笑
【問題点1】それ、もうずいぶん前から競合製品いっぱい市場にあるけど?
USB-C接続できる「サブモニター」は市場にたくさんあります。高性能な物から安価なものまで、Amazonで検索するといっぱい出てきます。もちろん、信用できる大手メーカー製もあります。
そんななかで、価格や性能の詳細が不明ながら、明らかに後発な「新製品」が一体どれだけ売れると思うのでしょうか?「大手キャリア」や「システム開発会社」が嚙むメリットも、大学病院が当該製品を採用するメリットも全く見えてきません。
【問題点2】製品、実在してる?
メッセージ内のリンク先からは確認できませんでしたが、会社名と製品名でgoogle検索してみたところ、品番らしきものを確認することができました。(というかスペック表らしきものに「品番」と明記してあるので品番でしょう)
ところが、この品番で検索しても情報が「1件も」出てこないんです。なぜなんでしょう?
【問題点3】会社、実在してる?
A社の所在地は、東京都内某所、「〇〇堀の7人」でおなじみの場所。どうやらビルの2Fになっているようなのですが・・・
ストリートビューで確認すると・・・1Fに居酒屋(ふぐ料理屋?)と花屋が入っているビルのようですが、看板等一切出ていません。
ブラインド越しに電気がついていることは確認できますが、、、
ちなみに住所・社名で調べたら「法人番号」は確認できましたが・・・同一住所に「●●投資顧問株式会社」とか、「××企画」とか、まぁなんというかその・・・そういう匂いがする場所です。
【問題点4】来月メディア公開予定のマル秘情報・・・?
なんの信頼関係も築けていない、初対面ですらないSNSだけでつながった直後の相手に、そんな情報を話してしまっていいんですか?いやダメでしょ。
というか、「確実に」出資金を半年後に1.5倍に膨らめられるような案件なら、普通に銀行融資受ければよくないですか?なんなら自分で消費者金融から借りまくればその方が早いよね?
●問い詰めて?みた結果
上記の内容を質問してみたんですが、まぁ要約すると「騙されてくれない人は返信するな」って事のようです。
まぁ100歩譲って「A社」が実在し、「当該商品」が実在し、「大手キャリア」や「大手システム会社」が本当に手を組んで発売し、「大学病院で数万台受注」を達成する見込みなのが全て事実だとしても、このメッセージの送り主と「A社」のつながりを示すものは何もないですし、実際に金を出して騙されてみないと「これは詐欺です」とは断言できないものの、先述したように、
- 今日たまたま不作為につながり申請をした相手に
- 挨拶もそこそこにマル秘情報を漏らして
- 出資を誘う
ロクな話じゃないことは確かです。
皆様、こういう一見旨い話はお気をつけ下さいませ。
あ、本当に旨い儲け話ならいつでも大歓迎ですよ~?
2022-01-19 21:30追記
その後、ちょっと追加調査をして現時点で判明している事実です。
- 上記「A社」は実在し、過去に「makuake(クラウドファンディング)」で2000万円超を集め、本件と類似するようなデバイスを販売している。(おそらく中国企業にOEMで作らせた物・「届くのが遅い」とか「謳い文句通りには使えない」など、評判はあまり宜しくなかった模様。
- メッセージを送ってきた人物(E氏とする)の所属する会社名は「〇〇〇〇〇〇〇ファリシティーズ株式会社」(F社)で、A社の大口出資者であるとしているが、A社のウェブサイトに記載のある出資者は「〇〇〇〇〇〇〇キャピタル株式会社」(以下C社とする)である。
以下、上記を元にした推測です。
A社およびC社は実在し、A社が当該製品を発売する事、C社が総販売元になるというのは事実である可能性が高い。一方で、E氏の語るF社はそもそもA社とは何の繋がりもなく、E氏は偽名もしくは他人の名前を語っているだけで、F社も存在しないもしくは実体のない詐欺話ではないかと思われる。
→末尾に追記あります。
なお、F社のウェブサイトにアクセスすると、こんな警告が出ます。
ドメインはC社と1文字違い。そしてF社の法人番号を調べると、、、
もとは兵庫県明石市の「株式会社〇〇〇自動車」(2015年10月に初登場。新設法人? ※)、2016年6月には現社名に変更、同月末に東京都千代田区丸の内に移転、2017年1月には同じ丸の内で所在地変更。ビル名を間違えてたのか2020年9月にビル名のみ修正されています。
いや、怪しすぎでしょコレ(笑〇〇自動車って法人立ち上げて1年経たずに・・・サプリメントだの医療コンサルだの・・・。
※新設法人でなくても、2015年10月5日の「番号法施行日」以前からある法人は番号の設定日が一律でこの日になるらしいので、設立日は登記簿見ないとわからないですね。
===2022-01-20 17:10追記===
A社に電話してみました。(非通知)
電話に出たのは「Y」と名乗る人物。代表者の「Y氏」?
で、何点か質問したんですが、
- F社はC社の関連会社です(断言
- A社の株を売る云々については(ご自身はA社の代表者だと認めつつ)私からはお話できません
- 名前を教えて下さい←しつこく
話の内容や声の調子からして、「A社」もその代表者である「Y氏(を名乗る人物)」も、全部まとめてグルですわこれ。
というわけで、日本証券業協会の未公開株通報専用窓口 0120-344-999 へ洗いざらい全てを通報しておきました。